ALBEROBELLO 〜創意工夫でうまれたトルッリ〜

 あの不思議な形の円錐形の建物トルッリは、一体どうやって作られているか?はジュゼッペ・マッフェイさんのお店のミニチュアを見せてもらえば と〜っても良く解る。一つのトルッロを作るのに約3ヶ月から、3ヶ月半かかるといわれているが、その大半は、石の加工期間。 適切な大きさの石や、屋根の部分に使用する薄い石を準備し、たった2週間で組立てしまうそう。そして、印象的な白壁も、このプーリアの土壌に多く含まれる石灰をまるでペンキのような塗料に変えて、どんどん上塗りさる。

●スレート(LE CHIANCARELLE)
 そもそも石灰質のカルスト台地なので、トルッリの原料となるCHIANCARELLA(スレート)が地面を掘れば出てくる。 テレーザさんによれば、畑を開墾するときも、まず土を入れてからでないと話しにならない。「掘れば石が出てくるから、 畑には出てきた石で垣根を作っているでしょう、ほら」と教えてくれた。なるほどここまで来る道のオリーブ畑には、 殆どに石の垣根があった。なので、あの可愛いトルッリは豊富な石にやり場に困った住民の創意工夫で作られたと言っても 過言じゃないでしょう。

●尖塔(I PINNACOLLI)
 屋根のてっぺんを見れば気がつくけど、いろんな形をしている。 一般的に3つの石を組み合わせて作られていてそれぞれに意味を持っている。

●屋根のマーク(I SIMBOLI)
 屋根の部分には不思議なマークが書かれている。キリスト教意外の異教徒とキリスト教の物とがあり、 昔は住民はその源が別々の家族の寄せ集めだったからだ。その中のいくつかは災いから家族を守るという意味だったりと 考えられている。

アイアピッコラ区  人々が、今でも暮らす生活地区
トゥルッリのその殆どが現在もなお住居として使われている。駅から来ると、 モンティ地区の手間の広場を左に曲がった所になる。外にイスを出し腰掛けて、話す住人達が、 「中に入って見てみていいよ」と気軽に声をかけてくれる。見せてもらったお家の梁は、昔ながらのオリジナルで、 小さなロフトがその上にあった。昔ながらのものを残して保存していくのはどこの国も同じだが、高くつくらしい。 「この家を改築した時に床のタイルは新しいものと交換しちゃったけどね、お家はおばあちゃんから受け継いだのよ」とシニョーラは言っていた。 気さくな会話と、はためく洗濯物やキッチンから聞こえるラジオの音がなんだか情緒たっぷりで、まるでタイムスリップした気分になれる。
この地区は約400のトルッリがある。
モンティ区  地区いっぱいに点在するまさに、トゥルッリの里
7つの通りから構成されているこの地区には、約1000のトルッリが隣接して建っていて、まさにトルッリの里。 道から小高い丘に向かってトゥルッリがにょきにょきと建っている風景には「はるばる来たな〜」といった感が…。前出のジュゼッペ・マッフェイさんのお店もこの地区にある。 緩やかなのぼり坂を上がり、あの有名なトルッリのSant'Antonio教会を見学。 教会のそぐ側のレストラン、サジタリオで遅い昼食。気取らない地元の料理で、なかなかのもの。 その後正面の公園の裏手に廻ると、知らなかったがアイアピッコラ同様、住居に使われているとっても静かなゾーンだった。 モンティ地区の中にはレストラン、お土産屋さんがほとんど。驚いたのはみんな日本語で話しかけて来ること。こんな南イタリアの小さな町で、まさか日本語で話せるとはびっくり!
丘のてっぺんに建っている

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データ協力Piazza-Italia